2016年2月23日火曜日

学生紹介:大寳ひとみ(修了生)

GEIDAI ANIMATION 07 YELLで作品を上映する学生を、1日2名ずつ紹介していきます!

18人目は「おもかげたゆた」を制作した大寳ひとみさんです。

Q 自己紹介をお願いします。
修士2年の大寳ひとみです。
今回「おもかげたゆた」という作品を制作させて頂きました。


Q 作品を作ったきっかけは何ですか?
とても個人的な悩みになってしまうのですが、
もう会うことが叶わない人について知りたい・理解したいという思いがきっかけでこの作品を制作しようと思いました。
(きっかけについてはメイキング映像内で詳しくお話しさせていただいております)


Q 手法と制作プロセスを教えてください。
まず、私自身がその人について何も知らなかったので、リサーチを行い、情報を集めることからスタートしました。生まれ故郷の佐賀に何度か帰省し、残された年賀状や電話帳を元にインタビューに答えて下さる方を探したり、縁の場所を巡ったりしました。前半のリサーチを行っている間はほとんど探偵みたいな感じでした。調べていくうちに、思いもよらなかった事実に直面し、その事が作品自体にも大きな影響を与えました。
手法はコマ撮り・実写・ドローイング・プロジェクションなどを合わせたミクストメディアです。自分自身でも当時の記憶がすごく曖昧で、作っていく中で「現実にあったこと」だということを確認していくような感覚で制作していたため、今回は現実に近い絵の部分が多くなっているように思います。作品はインタビュー時に録音させて頂いた音声のパートと、私の手紙のパートで進行するのですが、写真で表現できるものと絵で表現できるものが違うため、その都度音声や手紙の内容に適した表現を模索していきました。

Q 影響を受けた作品などはありますか?
映像作品ではないのですが、写真を撮ったり絵作りをするときに川内倫子さんの「うたたね」という写真集をよく見ていました。倫子さんの写真から感じられる「日常の中で垣間見える一瞬のきらめき」のようなものが作中でも表現できたらと思いながら制作していました。


Q 制作の合間にしていた気分転換は何ですか?
昨年はリサーチと撮影で7回佐賀に帰ったのですが、やはり田舎は1日の流れとか空気を肌で感じられるのが良かったです。あと父の事務所に猫が15匹(!)もいて、東京では不足しがちな動物要素を補えました…。


撮影中の気分転換は音楽で、ある程度の音量なら暗室の外には漏れないので、撮影中は垂れ流しで聞いていました。普段はいろんなジャンルの曲をまんべんなく聞くように心がけているのですが、制作中はかなり神経が敏感になっていたので、作品の波長と合う音楽しか聞けなくなっていました。あと暗室での撮影が続くと、丸一日一人ぼっちなので、人が作業している音が欲しい時はゲーム実況をラジオ代わりに聞いていました。ものすごく感傷的になっていたせいか、Motherのエンディングに涙したりもしていました。


Q 在学中にやり残したことはありすか?
アニメーションを一作品完成させるたびに、次のやりたいことが出てくるので、
そういう意味ではやり残したことはたくさんあるのですが、もう否応なしに卒業ですので
これからは自分の力でやってみたいことを実現していきたい…です!

Q アニメーション以外で、今後挑戦してみたいことはありますか?
自分が全然行ったことのない場所へ行ってみたい
その土地の空気を吸って、たくさん写真を撮りたい
けどもまずは「まっとうな生活」を続けることが当面の目標です。


Q 今あなたが一番“YELL(叫び)”したいことは何ですか?
大掃除したりとか手料理作ったりとか…とりあえず当たり前の生活を送りたい…!


ありがとうございました!
大寳ひとみさんの作品「おもかげたゆた」は、「第七期生修了作品 Bプログラム」にて上映いたします。「第七期生修了作品 Bプログラム」は、3月5日から3日間、横浜の馬車道校舎で上映となっています。また、3月12日から一週間、渋谷のユーロスペースでも上映予定です。お楽しみに!

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